Nagaokakyo Chamber Ensemble 長岡京室内アンサンブル

  • 森悠子(音楽監督・ヴァイオリン)
  • ほか

長岡京市

※マップの位置は主な演奏会場です。

「地域ごとに独自の音色を持つオーケストラがある欧州のように、長岡京独自の音色・思想を持った演奏団体を育てたい」という理念のもと、ヴァイオリニストの森悠子氏を音楽監督として97年に結成。指揮に頼らず、(奏者が)互いの音を聴く「耳」を研ぎ澄ませることを重視して創り出される緻密で洗練された演奏や、自由な発想で舞台上に奏者を配置する大胆な演奏スタイルは、全国のコアなファンを惹きつけている。
同時に、地域の小学校での「ヴァイオリン体験学習」など次世代への教育プログラムにも力を入れている。2000年「第20回音楽クリティック・クラブ賞」、01年「エクソンモービル音楽賞 奨励賞」など多数受賞。

(記事執筆:西尾晶子(京都府地域アートマネージャー・山城地域担当))

※マップの位置は主な演奏会場です。

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MESSAGE

クリエイターの声(地域の魅力)

長岡京を拠点にしたのは、両親が暮らしていたという縁もありますが、長い海外生活の中で、日本の都市部への一極集中に違和感を持っていたことも理由の一つです。独自の音色を持ったアンサンブルを地域から発信したいという想いに、ここの人達は様々な形で応えてくれました。これからも、本当に音楽が好きな人たちと独自の文化を創っていきたいです。(森悠子さん)

推薦者から一言

西尾晶子
京都府地域アートマネージャー・山城地域担当

ホールによって音が響き合う演奏位置が異なり、それを探りながら演奏位置を決めていくのはごく自然なことだそう。聴こえてくる音楽が自由で躍動的なのはそのためなのだと、森さんのお話を聞いて合点がいきました。「音楽は好きだけど、クラシックは堅苦しく感じてしまう」という人にこそ、ぜひこの楽団の演奏に触れてもらいたいです。

WORKS 活動紹介

結成の際、マネージャーやレコード会社から「なんで(団体名に)”京都”って付けないだ」と怒られたという森悠子さん。ヨーロッパの友人たちから、”長岡京”は発音しにくいという声も。ですが、このアンサンブルの理念や演奏スタイルは、本場ウィーンの演奏家たちが、「あんなふうにやりたい」とストライキを起こすほど注目を集めたそうです。

W.A.モーツァルト作曲《ヴァイオリン協奏曲第7番》《交響曲第29番》などを演奏した2023年2月の演奏会風景。クラシック演奏で一般的に用いられる楽器配置ではなく、各楽器がより良く響き合う位置を曲目ごとに探りながら演奏位置を決めているそうです。

次世代の子どもたちのために音楽を通して人間形成を行う教育プログラム「プロペラプロジェクト」のひとコマ。育った環境や楽器経験も多種多様な子どもたちが、違いを認め合い美しいハーモニーを見つけることを合奏を通じて学ぶそうです。

この日の「プロペラプロジェクト」では、モーツァルト作曲のバレエ音楽《レ・プティ・リアン》の序曲を取り上げ、曲に合わせて身体を動かすことで、曲の成り立ちやモーツァルトが表現したかった音楽を感じ取るという試みが行われていました。

長岡京市内の小学校で過去に行われた楽器体験教室の様子。