宇治市内で平安時代から続いている伍町通りに位置する中宇治BASEは、築70年の酒店をリノベーションした市民交流拠点かつレンタルスペース。商店街を中心とする中宇治エリアの「まちづくり」を地域の人たちや学生と共に担う、アーバンデザインセンター宇治によって運営されている。
地域の人たちが活用しやすいように設計されたシンプルな空間では、地域のアーティストによる作品展示やワークショップ、雑貨や洋服を販売するマルシェといったクリエイティブなイベントをはじめ、「まちづくり」に関する会議など、中宇治BASEを拠点に古い街並みを未来につなげる様々な取組が行われている。
(記事執筆:西尾晶子(京都府地域アートマネージャー・山城地域担当))
JR宇治駅から世界遺産の平等院へのルートを検索すると必ず通ることになるのが中宇治エリア。観光客もひっくるめ様々な人がこのエリアを回遊し、中宇治BASEでのワークショップに観光客が飛び入りで参加することもしばしばあります。芸術と親和性の高い中宇治BASEを含むこのエリアが、訪れる人たちにとって「面白いエリア」となり、たくさん歩いてもらえると嬉しいです。
周辺のひっそりとした雰囲気とちょっと尖った空気感が交じり合う中宇治BASEの面白さは、「ザ」が付く程の観光地に隣接していることと関係がありそうです。観光地としてのにぎわい作りで満足せず、新たな文化やエネルギーを創り出し、持続的に人を惹きつける場所であろうと知恵を絞る人たちが集う、とても知的な空間です。