場所と密接に結びつきながら形作られた土着の文化や、代々受け継がれてきた伝世品などの文化的な背景を色濃く反映したもの、宗教的象徴物などをモチーフに、陶磁器で作品を制作されています。陶磁器は技術や知識、経験値がものを言う世界。焼成中に起こる様々な変化、土の収縮や熱による歪み、釉薬の流れる方向、化学変化などを綿密に計算しなければ思ったような作品は作れません。そうして焼成した作品を窯から取り出す時の感動は、何にも代えがたいものがあるのだとか。窯の中はある種、人知の及ばない領域。時としてアーティスト自身の想像の範疇をも超える作品が生まれてくるそうです。
(記事執筆:宮下忠也(京都府地域アートマネージャー・南丹地域担当))