昭和35年(1960年)に建てられ、2011年3月末に閉校した質美(しつみ)小学校。この旧校舎を残したいという地元住民の思いによって、2012年4月から住民たちでつくる質美笑楽講(しょうがっこう)管理運営委員会が管理・運営し、現在は多目的コミュニティ施設として「旧質美小学校」という名称で地域内外の人々に親しまれている。
木造の校舎内には、誰もが多目的に使用できる空き教室(レンタルスペース)をはじめ、絵本専門店やカフェ、古道具屋が並び、ゆったりとした時間が流れている。これまでに、コンサートや演劇・工作などのワークショップ、展示会や勉強会、地元野菜を楽しめるマルシェなど多彩な催しが行われてきた。校舎で店舗を構える店主や訪れた人にとって特別な“小学校”となっている。

※営業日時は店舗ごとに異なります。

(記事執筆:杉愛(京都府地域アートマネジャー・南丹地域担当))

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MESSAGE

代表者から一言(地域の魅力)

林 良秀
質美笑楽講管理運営委員会 代表

「今あるものをなくしてしまったら、元に戻せない。」そんな思いから、質美小学校の旧校舎を残し、運営してきました。校舎は地域の人々の思い出の空間であるとともに、天窓を設け自然光が差し込む教室を備えるなど、建築としての魅力もあります。この空間を気に入り、何かをしてみたい方にぜひ利用してほしいですし、アクセスも良いので、遠方からでも気軽に訪れてほしいです。

推薦者から一言

杉 愛
京都府地域アートマネージャー・南丹地域担当

文化、芸術、食、子育て…さまざまな時間が流れる、旧質美小学校。訪れた人からは、「懐かしい~!」と子ども時代を振り返る声が聞こえてきます。不思議と懐かしさや親しみを覚えるそんな“小学校”を訪れたり、活用したりしてみませんか?校舎をゆっくり歩き、入居する店主の方々と話してみると、きっとインスピレーションが湧いてきます。2026年4月から新たに3店舗がオープン!京丹波みずほICから約10分なので、遠方の方もぜひ。

SCENE シーン

緑に抱かれた静かな高台に建つ、旧校舎と体育館。グラウンドでは、夜の熱気球搭乗体験もできる「ハロウィンナイトイベント」や夏祭りなど、屋外ならではのイベントが行われている。

木のぬくもりを感じる廊下。各店舗の個性が漂う店構えが、訪れる人の興味をそそる。窓辺には、自由に弾けるオルガンが置かれている。

レンタル利用が可能な、工作などに適した広々とした【理科室】。これまでには、日本の伝統的な木工技法に親しむ「ホゾとホゾ穴づくり」のワークショップなどが開かれた。

レンタル利用が可能な【家庭科室】。豆腐のような佇まいが愛らしい、レトロな白いタイルの調理台が並ぶ。流し台があるため、調理に限らず絵画や工作で利用するのも良さそう。

レンタル利用が可能な【旧一年生教室】。写真は、京丹波町で活動する「つみ木家具店」の二人を講師に迎え開かれた「スギの木箱づくりWORK SHOP」の様子。参加者は金槌での釘打ちや初めての鉋(かんな)削りに挑戦し、交流を深めながら木箱を制作した。
写真提供|質美笑楽講管理運営委員会

<絵本専門店 絵本ちゃん>
店主の谷さんが、「皆さんの暮らしの息抜きに」と同校で最初にオープン。谷さんの感性でセレクトされた絵本や雑貨、おもちゃを販売。隣の教室では、本を借りたりおもちゃで遊べる「きのこ文庫あそびのひろば」も営まれ、子どもから大人までが「気軽に集える場所」をつくっている。

<Pandozo Cafe(パンドーゾカフェ)>
窯焼きピッツァ&生パスタを味わえる。オーナーの細見さんは、「誰にとっても懐かしい学校という空間で食事を楽しんでもらいたい。」と入居を決めたそう。写真は、期間限定メニューで、「GREEN GREEN」がキーワードの京丹波町をイメージしたほうれん草のソースとエビのピザ。

<喫茶しずく>
店主の山内さんが、自家焙煎の珈琲豆をつかってハンドドリップで一人一人に寄り添う一杯を淹れてくれる。テイクアウトも可能。
また、空き教室で陶芸家と企画展示を行うほか、花や菓子の作家、料理家を招いたイベントも開いている。今後も、喫茶にとどまらない“特別な時間”を計画中。

<古道具屋 ケセラセラ>
昭和の生活雑貨を中心に、店主の澤田さんがみつけた「日々の暮らしに必ずしも必要じゃないけれど、癒されるもの」があふれている。店内には、古道具と木造校舎、それぞれが重ねてきた時間が溶け合っている。