店長でありブック・キュレーター(本の案内人)の西村さんが選書した本は現在約1万冊。一部が店内の本棚に所狭しと並んでいる。”日本文学”や”海外文学”、”芸術”等のテーマごとに積まれた美しい本たちに好奇心を擽られる空間だ。「本の中で、様々な世界や考え方に出逢うことができます。読まないと勿体ない!」と話す西村さん。若い世代にもぜひ読書(文字)を通して様々な価値観に触れてもらい、想像力を膨らませて欲しいとのこと。「こんな本が読みたい」と伝えると、とびきりの一冊(あるいは数冊)を紹介してくれる。定期的に読書会も開催されており、ハンドドリップの珈琲を楽しみながら本の世界にじっくりと浸れる場となっている。

(記事執筆:坂本真由美(京都府地域アートマネージャー・中丹地域担当))

この場所をシェア

MESSAGE

代表者から一言(地域の魅力)

西村優作
店長・ブックキュレーター

兵庫県豊岡市出身ですが、ご縁がありこの場所で店を任せてもらうことになりました。福知山には大学があるので学生さんとイベントでコラボしたり、嬉しい機会があります。店の運営をはじめて約10年。日々の営みの中で、まちをより良くしようと動き出す人たちの姿や、少しずつ変わっていくまちの表情を感じています。近所の仲のよいカフェや食堂の方、地域の皆さんと話すのも楽しい時間ですね。

推薦者から一言

坂本真由美
京都府地域アートマネージャー・中丹地域担当

文学や芸術など多彩なジャンルに触れながら、読書の魅力を再発見できる空間です。読書会やトークイベントが開催されたりと、本を通じた交流の場にもなっています。香り高い珈琲とともに、心に残る一冊との出会いをぜひ体験してみてください。

SCENE シーン

居心地のよい店内。天井まで並ぶ書籍は圧巻。西村さんは、「蔵書が1万冊程となり、ようやく書店と呼んでもらえるようになったかな。」と話す。

手に取った一冊から、枝葉のようにまた一冊、もう一冊と繋がっていく。いつも読んでいるジャンルの本から、明治の文豪の作品や、海外の小説の翻訳書などにも辿り着くかもしれません。古本が好きな方々にも人気の作家正岡容、木山捷平初版本や、英米文学はもちろんスペイン語圏(イスパノアメリカ)の文学、関連書も充実。岩波文庫、ちくま文庫、講談社学術文庫、特徴ある文庫レーベルにも力を入れている。

「読書を通して自身の中にある偏見に気づき、寛容になることもできる。色々な考え方を知ることは、人を認めることにも繋がりますよね。」と話す西村さん。

店名の由来となった『文字禍』(中島敦著)。西村さんの本好きが高じて、この本の主人公のような最期にも憧れるとか・・・?

「例えば、4,000年前のことも文字で知ることができる。紀元前の人々の様子が分かる。建築家やアーティストも文字を残していて、その時代に残されている文章を読んでみたいですね。」と目を輝かせる西村さん。

定期的に読書会が開かれている。
・毎月第2・4日曜日『朝のこくご』/9:30~11:00 参加費:900円(トーストやドリンク+テキスト付) ※要予約
・毎週土曜日『ただただみんなで集まって読書する会』/16:00~ 参加費:ワンドリンク制 ※途中の入退場自由
・奇数月第3日曜日『BOOK TEA PARTY』/14:00~15:30 参加費:800円(ドリンク付) ※予約推奨

※詳しくは「古本と珈琲モジカ」SNSをご確認ください。

著者をゲストに迎えてのトークイベントを開催。愛書家や音楽、絵画分野の参加者からも質問が飛び交いました。文士愛溢れるトークも白熱。

店内には作家作品の展示コーナーがあり、作品展が開かれることも。

隣接する映画館のチケット提示でカフェメニューの割引があります。福知山産の卵を使用した「ふわふわたまごのオムレツサンド」も人気。