亀岡駅から徒歩8分、北町商店街に溶け込み、理髪店のサインポールがトレードマークの美術館。かつて理髪店であった町家を改修され2012年に開館、社会福祉法人 松花苑が運営されています。

美術館は、亀岡市の障害者施設「みずのき」で日本画家の西垣籌一(にしがき ちゅういち)氏により1964年から約40年間行われた絵画教室で生み出された絵画作品約20,000点を収蔵。日本のアール・ブリュット※の草分けとしても注目された作品を含むコレクション展や企画展を行うほか、学校等との交流事業やアートプロジェクトを行うなど、多岐にわたって「美術館」という場をひらく取り組みが行われています。

※【アール・ブリュット(art brut)とは】
フランスの画家ジャン・デュビュッフェが提唱した概念。
正規の美術教育を受けていない者により制作された作品を指す。英語では「アウトサイダー・アート」、日本語では「生(なま/き)の芸術」などと訳される。

【施設情報】
開館時間|10:00~18:00
開館日|金・土・日曜日、祝日
入館料|一般400円、高大生200円、中学生以下無料
※展覧会によって変動
駐車場|なし
※展示替えによる長期休館あり。詳細は美術館ホームページ、SNSにてご確認ください。

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MESSAGE

代表者から一言(地域の魅力)

奥山 理子
みずのき美術館キュレーター

亀岡市では、ここ最近ギャラリー、カフェ、アートイベントなど文化に触れられる場所が多く誕生し、クリエイターの移住も増えています。美術館にも、近所の子どもたちだけで来ることや、多世代で来館される方なども少なくなく、子どもが安心して暮らせる街なのかなと感じます。 美術館が開館して10年余り。地域の方々から相談や協力依頼を受けることも多くなりました。これからも、日常の延長線上にある美術館でいたいなと思っています。

推薦者から一言

杉愛
京都府地域アートマネージャー・南丹地域担当

取材中、小学生2人がふらりと美術館を訪れ、顔なじみの奥山さんと話して帰りました。「わが町の美術館」として親しまれていることが伝わってきます。 みずのき美術館で多彩な表現・作品に接する度に、障がいや福祉、表現の多様性など様々な考え・思いが巡ります。館内設置のパソコンで閲覧できる収蔵作品20,000点のアーカイブは圧巻、必見です!

SCENE シーン

理髪店のサインポールが目印。大きな窓から館内の様子が見え、開放的。

出入口にはスロープ、館内にはエレベーターが設けられ、どなたでも利用しやすい。1階では、コレクション作品や展覧会を記録した書籍を販売。

1階の展示スペース。かつてボイラー室などに使われていた地下の空間でも作品展示をすることがある。
写真:麥生田 兵吾

靴を脱いで上がる、2階の展示スペース。椅子や床に座ってリラックスして鑑賞できる。天井の大きな梁(はり)が町家の面影を感じさせる。
写真:阿野 太一

2023年開催、亀岡小学校さくら学級とみずのき美術館の交流事業から生まれた展覧会「地球のおとしもの」。同館所蔵作品と児童が描いた作品が互いを尊重するように溶け合っていた。
写真:梅田 彩華

2023年開催「地球のおとしもの」の創作の様子。「木と友達になろう」をテーマに全5回のワークショップを実施。ゲストアーティスト山本麻紀子氏が子ども達から「根っこが生える音」を聞き取った。
写真:梅田 彩華

出展経験や障害の有無を問わず作品やアイディアを持ち寄る展覧会シリーズを2013年から全8回開催。写真は、障害のある人などが美術館で展示したい作品を持参し、話し合いながら展示位置を決めている様子。(「HOME PARTY08-なんたうん2022-ホームパーティー公開準備中!」)
写真:梅田 彩華