TANAKA Taishi 田中大志

Nachshon Taishi Tanaka Films 代表

南丹市日吉町保野田市野3−1

※個人情報保護のためマップの位置は市町村の役所です。

幼い頃に見た映画『スタンド・バイ・ミー』をきっかけに映画の魅力に引き込まれ、高校で映像表現やデザインなどを広く学ぶ。
19歳でイスラエルに留学。ヘブライ語を学んだ後、ベツァルエル美術デザイン学院映像表現学部で映画制作を追究。在学中に制作した短編ドキュメンタリー映画『ガリラヤの漁師』が「2019ハイファ国際映画祭」学生部門銀賞受賞。2020年に帰国。留学時の体験に着想を得て、場面緘黙症の青年の心の変化を描いた短編映画『そのこえ』を奈良県生駒市で制作。この時初めて、地域住民との映画制作を経験。
2023年2月に南丹市日吉町へ移住。”地域と創る映画”プロジェクト<ひよし映画>を地域住民と始動し、2024年1月に作品の随所に地域の風習や文化を織り交ぜた短編映画『地蔵に願いを』が完成。
地域に根差した制作を行いながら、京都府内外で上映会や映画づくりを通した活動を広げている。

(記事執筆:杉愛(京都府地域アートマネジャー・南丹地域担当))

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MESSAGE

クリエイターの声(地域の魅力)

南丹市の牧歌的な風景に惹かれ、日吉町に移住しました。どんな地域でもそこに息づく風習・文化があるように、南丹市や日吉にも失いたくない風景があり、それらを映像に残そうと協力してくれる人たちがいます。 映画をつくるという一つの目標に向けて人々が力を注ぐ時の活気やエネルギーを地域の方と体感し、制作過程を楽しめることに喜びを感じています。 今後一緒に何かできる余白や可能性を感じる南丹市で、映画づくりによる人のつながりを広げていきたいです。

推薦者から一言

杉愛
京都府地域アートマネージャー・南丹地域担当

縁もゆかりもなかった土地で、全く一から地域の方々と映画づくりを行う田中さん。様々な場で得る一つ一つの関わりを丁寧に築いているからこそ、出会った一人一人に共感が生まれ、賛同者、協力者、参加者という多くのパートナーを得ています。 田中さんを円の中心とした、多様なコミュニティの輪、映画をつくる創造の輪、地域の魅力や社会課題の共有の場が広がっています。

WORKS 活動紹介

2023年に始動し、ロケ地、キャスト、スタッフ、"オール日吉"で行っている<ひよし映画>。早くも2024年2月から第2弾が始まり、演技の講師を招き、キャストを対象に開かれたワークショップ。演技の初心者で緊張気味な大人・子どもたちの心をほぐし、互いに心を通わせた。映画づくりを通じて、年齢など属性を越えた新しい関係性が地域に築かれていっている。
写真提供:田中大志

<ひよし映画>第2弾の撮影現場。平日の夕方、キャストの中学生や撮影をサポートする保護者など大人が集まる。
日常のように演じてもらうことを大切にする田中さん。現場には、楽しく和やかな雰囲気が漂う。各々の日常の延長に、映画づくりの時間が流れているよう。

<ひよし映画>で住民間の交流が深まっているという評判を聞き、日吉町興風区の住民の方々が、過疎化・高齢化している地区の交流を深めるヒントを得ようと田中さんとの懇話会を開いた。
『地蔵に願いを』の上映後、田中さんから同作の制作過程を紹介。住民同士で感想や気づき、地域課題や今後に向けての思いが交わされた。

2024年1月に発生した能登半島地震後、現地に通ってボランティア活動をしながら、被災地の現状と人々の心の復興を伝えようとドキュメンタリー映画を制作中。被災してもなお、350年以上続く「あばれ祭」を行う能登町宇出津(うしつ)の人々の姿をカメラで追う。
写真提供:田中大志

授業の一環で訪れた日吉町で田中さんと交流した龍谷大学の学生達が、場面緘黙症の啓発を目的に龍谷大学深草キャンパスで『そのこえ』の上映会とトークショーを開催。
場面緘黙症の経験者や同作品の出演者と、経験談や制作の背景について語り合う田中さん。
このような上映会や理解を深める場が京都府内外で行われ、場面緘黙症への理解が広がっている。

亀岡市にあるフリースクール「学びの森」で映像制作のワークショップの講師も務める。子どもたちによるストーリー作りから撮影・発表まで全7回で行う。
映像を表現媒体として、子どもたち一人一人が「伝えたいことは何か」を考え、自身の内面を見つめて行う表現活動に寄り添っている。
写真提供:田中大志