TAKAI Harumi 高井晴美

成生窯

舞鶴市成生

京都府舞鶴市成生(なりう)出身。海の近くで育ち、眠りにつくたび耳に届いた波の音は、幼い頃から心の中でかたちとなり、現在の造形表現の原点となっている。京都芸術短期大学陶芸コース卒業、専攻科にて1年間学んだ後、陶芸家・川尻一寛氏に師事。8年3ヶ月の修業を経て、故郷の海から着想を得た作品の制作をはじめる。1991年京展・日展に初入選。以降も日展を中心に入選・受賞を重ねている。1994年「成生窯」を開窯。
2011年の東日本大震災をうけて、”同じ海辺に住む者”として支援活動を開始。以降、「命」や「魂」といったテーマが作品に表れるようになった。
地元保育園での卒園制作や福祉施設での陶芸教室にも長年携わり、現在は舞鶴市青葉山ろく公園陶芸館館長として地域の文化振興にも力を注いでいる。

(記事執筆:坂本真由美(京都府地域アートマネージャー・中丹地域担当))

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MESSAGE

クリエイターの声(地域の魅力)

昔からかわらない成生の海が好きです。漁港の風景は100年前からほとんどかわっていないと思います。太陽とともに起き、暗くなれば眠る――そんな暮らしのリズムが当たり前にあります。
日の出や夕暮れ時の海の色のうつろいが美しく、作品については「成生に来てもらったら、きっとわかりますよ」とお伝えすることがあります。
地域との繋がりも豊かで、震災復興支援の際には、近くの農家さんたちからたくさんのお米を寄附していただきました。
昔も今もかわらずずっと、素晴らしい場所です。

推薦者から一言

坂本真由美
京都府地域アートマネージャー・中丹地域担当

ダイナミックな大きな作品からは、力強い海のエネルギーが伝わってきます。やさしい色合いには深い愛情を感じます。美しい成生の海からの直観を大切にされている高井さん。“今しかできないこと”、“今しかできないもの”に情熱を注ぎ続けておられます。

WORKS 活動紹介

京都府舞鶴市・大浦半島の北端部、成生の海。

※写真提供|高井晴美後援会

「濤聲(とうせい)」2004年
第43回「日本現代工芸美術展」入賞作品。波を思わせる曲線が印象的な造形。高井さんのオブジェ作品は縦横60cmほどのサイズのものが多いが、焼成の過程で縮むためひと回り大きく成形している。

※写真提供|高井晴美後援会

「海鳴(うみなり)」2010年
第41回「日展」入選作品。曲線と直線が交差する、躍動感ある造形。

※写真提供|高井晴美後援会

「流擁(りゅうよう)」2019年
改組 新 第6回「日展」入選作品。深くやさしい色彩、包み込むような独自のフォルム。複雑な構造の作品は焼成中にひびが入ることも多く、同じ作品を同時に4点ほど制作し、その中から納得のいく一点一点を追求している。

※写真提供|高井晴美後援会

舞鶴市では市民から高井さんの器の寄贈があり、まちの活性化に繋がることを目的として舞鶴市民を対象に器の無料貸出しを行っている。100点近い寄贈作品の中には、写真のように紫陽花や葡萄、コスモス、南天など、淡い紫、ピンク色が印象的な柔らかな色合いの器や、竹を描いた落ち着いた風合いの器もみられる。
高井さんにテーマについて尋ねると、「自分の好きな草花をモチーフにしています。」とのこと。

舞鶴市青葉山ろく公園陶芸館で行われた、幼稚園児たちの卒園制作指導の様子。「いつもの粘土よりかたい!」と、普段手にする遊び慣れた粘土との違いに気づきながら、子どもたちは思い思いのかたちを生み出していきます。大きさもモチーフもひとつとして同じものはなく、どの作品にも個性があふれます。子どもたちの作品に「面白いね。」と目を細める高井さん。

高井さんが館長を務める舞鶴市青葉山ろく公園陶芸館は、大型の窯に、電動ろくろや土練機等の設備と陶芸のための快適な環境が整っている。舞鶴市内のほか、近隣の市町からも長年通っている方がおられるとか。
高井さんは手びねりのコースを受け持つ。

※開館時間、利用料金、その他詳細については舞鶴市の施設概要のページをご覧ください。

舞鶴市陶芸館の施設概要(外部リンク)