Oe Ayumi 大江歩

いとをかし

宮津市上世屋536-1

滋賀県生まれ。家族と共に山に行くことが日常だった幼少期。大学時代に世界を巡り多様な民族の暮らしに触れたり、バイト先で見た消費しきれない食べ物、モノを捨てることに大きな違和感を覚えたりしたことで、モノの循環への思考を深める。
大学を卒業した2011年、23歳で上世屋に暮らし始める。隣の集落の生業だった紙漉きに出逢い、自然と共にある営みに心惹かれ、2012年「いとをかし」として和紙製作を始める。和紙を始め、ランプシェード、壁紙、アートパネルなどをオーダーメイドで製作。「手を動かせば何でも作れることが豊かである」を信条に、紙漉きが暮らしの真ん中にある日々を上世屋の山々に見守られながら過ごしている。

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MESSAGE

クリエイターの声(地域の魅力)

なだらかでやわらかい山が近くにあり暮らしと一体となっているのが気に入っています。織物が栄えたことで植林されず原生林が残っているのが有難いです。半分島という地形の距離感が、全体でお互いを見守り合うが心地よさがあって自分に合っていると感じます。

推薦者から一言

甲斐少夜子
京都府地域アートマネージャー・丹後地域担当

上世屋に一人で移住を決められた心は強くしなやかです。冬の冷たい水を扱うことも躊躇なくこなし、自然と共にある暮らしを愛しみ、豊かな気持ちで過ごしている心が表情に顕れています。モノの循環を常に意識する心。彼女の身体全体を使って漉かれる紙(モノ)には、その心で満ちているのを感じます。

WORKS 活動紹介

和紙の原料である楮(こうぞ)を叩き伸ばしていく工程で、偶発的に生まれたオブジェのように目を惹かれる作品が工房の中で存在感を放っています。

和紙を漉く歩さんの後ろ姿。凛とした空気が漂う工房です。

原料となる楮(こうぞ)やトロロアオイは土から育てられています。こちらはトロロアオイ畑。根の部分を使用します。

工房の上手に上世屋の水源である滝があります。怯むことなく川に入りトロロアオイの根を洗う歩さん。

冬場の坂道はそりを使って移動します。娘さんも側で遊びながら歩さんの作業をみつめています。

山水で洗った後の楮。ここから一番時間をかける工程「チリより」が始まります。この工程の丁寧さが仕上がりに現れるそうです。

透かし模様の入った和紙。美しいです。

オーダーメイドで様々な和紙を漉かれます。こちらは牡蠣殻が漉きこまれています。

柿渋染めの和紙のピクニックシートと籠。全て土に還ります。ピクニックシートの柄は2023年度『Kaico-参加型アートプロジェクト』で実施した「町を縫う」のワークショップ参加者が見つけた「町の形」が活用されています。(詳細はリンク先をご覧ください。)