NISHIHARA Yuki 西原悠紀

NISHIHARA GUITARS

〒622-0221 船井郡京丹波町水戸小由里2

1984年京都市出身。小学5年生の時に、ギターを奏でる担任の先生の影響でエレキギターを始め、音楽を楽しむ学生生活を送る。美容師として働いていたが、ギター職人の存在を知り情熱が再燃。ギター製作を学べる教室に1年通った後、アルバイトなどで資金を貯めながら、さらに技術を磨こうと、2007年に長野県のヘッドウェイギターを飛び込みで訪れ、入社。2012年に京都に戻り、NISHIHARA GUITARSを設立。6畳ほどのプレハブ小屋を構え、修理を受けることから始め、個展の開催をきっかけに軌道に乗る。2014年、京丹波町に拠点を移し、気軽に演奏でき生活になじむギター、ウクレレを目指し製作。東京と大阪の楽器店に卸すほか、個人のオーダーも受けている。

※ギター・ウクレレのオーダー、工房訪問の際は、事前にお問い合わせください。

(記事執筆:杉 愛(京都府地域アートマネージャー・南丹地域担当))

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クリエイターの声(地域の魅力)

京丹波町には素朴さがあり、その良さを選んで暮らす人たちが好きです。山里での暮らしは初めてでしたが、近所の方々と協働で行う草刈りや鹿対策のネット張りといった「むらよう(村の用事)」、小学校の児童数が少ないからこそ生まれた親子フットサルなど、心地よい関わりを得ています。

推薦者から一言

杉愛
京都府地域アートマネージャー・南丹地域担当

西原さんはギターのオーダーを受ける際、可能な限り依頼主に直接工房へ来てもらい、音楽の好みや普段演奏する環境、どのように弾きたいかなど特性を聞き、材となる木や部品、弦の調整をされるそうです。世界に一本のギターが生まれるそのクリエイティブな作業から、職人であるとともに音をつくる表現者であると感じます。

WORKS 活動紹介

古民家に工房を構え、四季の移ろいを感じながら製作されている。自然豊かな環境から、野生動物も訪ねてくるそう。

玄関の引戸を開けると和の外観から一変。工房内の各所に作業台、道具、材などがインテリアのように配置され、西原さんが作業する日々の姿が目に浮かぶよう。

工房敷地内の離れでは、材を切り出すような大きな作業を行う。窓の外には穏やかな田園風景が広がる。

ギター・ウクレレの製作は、板を切り出すところから始まる。ギターを形づくるひょうたん形の「型」も西原さんが一から作る。種類によって異なる木の強度や湿度特性、音響特性などあらゆる特性を考慮しながら作業を進めていく。

鑿(のみ)、小刀、豆鉋(まめかんな)など西原さんの仕事の相棒たち。同じ道具でもサイズ違いが揃う。これらの道具による繊細な作業で、ギター・ウクレレの美しい形や音が生まれる。

朽ちた木の色を模様として活かし、サウンド・ホールの周囲を飾るロゼッタ(口輪)が作られる。西原さんのセンスが光る。

修理のため、工房に“里帰り中”の西原さん製作のギター。自身のギターの特性を良く知る“主治医”のような頼れる職人がいることはオーダーメイドの魅力の一つ。

ヘッドには西原さんのお名前の「N」「i」「Y」がデザイン化されたロゴが。カットした貝殻をはめ込んで作られる。ギターの各所で施されているインレイという技法。