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[事業レポート]キッズワークショップ『鳥笛で探す“音のなる不思議”』

山城地域|精華町

 

2023年10月8日 (日)に宮津市で実施したキッズワークショップ『鳥笛で探す“音のなる不思議”』の様子をお届けします。

2023年度地域プログラム
キッズワークショップ『鳥笛で探す“音のなる不思議”』

▼目次

宮津市・天橋立で、“音のなる不思議”に迫る
「調整が大事!」な鳥笛制作とbaobabとの共演
参加者の感想(アンケートより一部)
まとめ
全体概要

記:髙見澤こずえ(京都府文化芸術課・専門人材)
編集:大賀由佳子(京都府文化芸術課・専門人材)

 

宮津市・天橋立で、“音のなる不思議”に迫る

10月8日(日)に宮津市・天橋立内で、鳥笛を作って奏でるワークショップを開催いたしました。
この取り組みは、同日に開催されたボーダレス・ミュージックフェスティバル「KYOTOPHONIE2023」をきっかけに、大人から子どもまで、現代音楽や音楽家の方々に親しめる機会を提供することを目的に実施いたしました。
講師は「KYOTOPHONIE2023」出演アーティストbaobabの松本未來先生とMaika先生。ワークショップには、子どもから大人まで合計45名にご参加いただきました。
音楽を生む“音”は、そもそもどのように”なる(鳴る・成る)“のか。音の不思議に迫る体験をレポートします。

 

「調整が大事!」な鳥笛制作とbaobabとの共演

まずは、baobabの未來先生による鳥笛の実演。
鳥の鳴き声と見紛う音色は参加者を夢中にさせてくれました。

これから作る鳥笛の音に魅了されたあとは、いよいよ制作です。
まずは、baobabさんから鳥笛の構造のレクチャーがありました。

小さく、シンプルな構造の鳥笛は、紐を通してアクセサリーにも。

今回つくる鳥笛は、吹き口と笛の本体が離れた構造をしています。そのため、吹き口から吹き込んだ息がスムーズに笛本体の中に入り、音の共鳴を起こすことが「良い音をならす」ポイントとという説明がありました。

吹き口と笛本体の位置が離れてしまうと、息が本体に入らないため音がなりません。単純な構造だからこそ、微細な調整が音のなり“に関わってくるようです。また、吹き口からの息を受け入れる、笛本体の穴と少しだけ斜めに削ることにより、息がうまく笛本体に流れ込むとの説明もありました。

 

あらかじめ用意されたキットを接合するだけかと思いきや、吹き口の接合面の調整など、きれいな音をならすためには多くの調整が必要であり、作業はなかなか難しい様子でした。

Maika先生と一緒に、音を探します。

 

鳥笛が完成した後は、KYOTOPHONIEの会場の一つ、海ピアノに場所を移してMaika先生の伴奏で合奏を楽しみました。

完成した鳥笛は参加者一人一人のオリジナルで、音や音階もさまざま。今回制作した鳥笛は、たった一つの音孔と呼気量の調整により、音色が変わります。とてもシンプルな構造の笛だからこそ、誰でも音は鳴るけれど、同じ音には成らない。そんな音の不思議と、楽器を扱うスペシャリストであるbaobabさんと一緒に心地よい音を探す旅を体験いただくワークショップになりました。

 

参加者の感想(アンケートより一部)

  • 森の中で波音をききながらのワークショップ。とても五感を刺激されました。ありがとうございました。(丹後地域・50代)
  • すごく楽しかった。竹のパーツ2つでキレイな音が出て感動した。(丹後地域・~10代)
  • もっといろんな音の出し方を教えてくれたらうれしいです。みんなでえんそうしてみたり、作ったり、先生も優しかったので満足です。もっといい音の出る鳥笛を作りたいです。(丹後地域・~10代)
  • 娘が初めて1人で作って、美しい音が鳴る笛を嬉しそうにふいてる姿がとても愛おしく感じ、幸せ。(丹後地域)
  • とてもキレイな音でビックリしました。ありがとうございました。たのしかった。(府内の市町村・30代)

 

まとめ

今回のワークショップの来場者は、丹後地域がもっとも多く、その他からは京都市をはじめとした都道府県からお越しいただきました。親子での参加が多数で、お知り合いからのご紹介、SNSやチラシをきっかけに、KYOTOPHONIEやbaobabをはじめとした音楽への関心からご来場いただいた方が多かったようです。

満足度は未回答を除くと100%。いただいた感想には「楽しかった!」の意見が多数。音そのものの美しさや、共同で制作・演奏する喜びや感動の声が多く寄せられました。また、同様のイベントが開催された場合、また参加したいという方は67.5%、近所で開催されれば参加したいが17.5%でした。

“音のなる不思議”だけでなく、古楽器の制作やステージ出演を重ねるbaobabのお二人の魅力にも触れられる機会となった今回のワークショップ。丹後地域だけでなく、多くの地域の方々に、現代音楽や音楽家の方々に親しんでいただけたようです。

 

キッズワークショップ【鳥笛で探す“音のなる不思議”】概要

講師|baobab
日程|2023年10月8日 (日)
時間|1回目13:00〜/2回目15:00〜(各回1時間程度)
会場|『KYOTOPHONIE2023 天橋立』無料エリア内
   (『KYOTOPHONIE2023天橋立』森のステージ付近(天橋立海水浴場付近))
対象|5才~大人
定員|各回25名/参加者合計45名
参加費|無料・お申込み優先
主催|京都:Re-Search実行委員会(京都府、宮津市ほか)、一般社団法人KYOTOPHONIE
助成|令和5年度文化庁文化芸術創造拠点形成事業

▼その他の詳細はこちら
2023年度事業報告書(PDF)

 

▼講師|baobab(バオバブ)

自分たちでつくった”カテリーナの森” に住み、木をうえ、山に入りつつ、カテリーナ古楽器研究所でさまざまな種類の古楽器をつくる松本未來とMaika (歌 / fiddle) を中心とする兄妹ユニットです。

Webサイト|https://www.catherina1972.com/(外部リンク)