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[事業レポート]パシャパシャ丹後|関係者の声

丹後地域|京丹後市・宮津市・与謝野町・伊根町

 

本プログラムは、丹後地域2市2町7会場で実施し、多くの地元の方々にワークショップへの参加や展覧会来場だけでなく、運営スタッフ、会場提供などそれぞれの関わり方で、ご参加いただきました。

今回は、運営スタッフ等、本プログラムに関わってくださった方々の感想などを紹介します。

 

令和6年度京都府地域プログラム(丹後)
『パシャパシャ丹後』|関係者の声

 

■ 稲本朱珠(地域サポーター)

パシャパシャした「丹後」の奥に、大切な何かを見つめた時間だった。ミラーレス一眼カメラを持って与謝野と伊根をまち歩きしたとき、丹海バスで作品を観ながら丹後をめぐったとき、写真家の吉田さんの作品に心を揺さぶられたとき。

写真には、自分がそれをどう観たかが表現される。ワークショップで、これを撮ると決めたら色々な角度や距離から何枚も撮ると良いと教わった。知っている場所の写真には表現の発見があり、知らないものはこれは何だろうと想像する。ちりめんにプリントされた作品たちを見つめながら考えた。

吉田さんの作品には、細くて丁寧な手書きの文字で、取材された方の“言葉”が書かれていた。時間をかけないと読めない。ただその何倍もの時間をかけて、吉田さんが暮らしをみつめられたことが伝わってきた。大切なことはよくみた先にあるのだということが、ここでつながった。丹後で暮らして5年。「はた織りと共にある暮らし」をしているはずが、普段ほとんど意識していないことに気づいた。文化の背景にあるのが人々の暮らしであり、まちには暮らしが現れる。何もしなければなくなっていくものを、記録だけでなく記憶として残していく。そんな企画だった。

参加者作品|ちりめん街道の町並み
中学生が撮ってくれた今の丹後。あたり前じゃない景色。

 

■ 崎川真璃絵(運営サポーター)

超高級ミラーレス一眼カメラを1人1台抱え、カメラを大きく傾けて撮ってみたり、すごく近づいて撮ってみたり、地べたに這いつくばって撮ってみたり。

カメラレクチャーを聞いたことで、おそらく今までの日常ではしたことのない体勢、撮り方で皆さん熱中しているのが印象的でした。そこには大人だから子どもだからという壁がない、なんなら参加者とスタッフの壁もない、皆一緒に同じように熱中し、思い思いに被写体にカメラを向ける。そんな皆の姿と撮影された写真を見たら、写真を通してその人の視点を知れて、少し仲良くなれた気がして嬉しくなりました。

今回私は全てのワークショップにスタッフとして参加し、舞台となった全ての地域を訪れました。作品展示では、地域ごとに写真が展示されていました。訪れた時の自分自身の目線ではなく、ワークショップに参加してくれたたくさんの皆さんの目線で丹後を旅しているような気持ちになり、とても楽しい展示でした。

参加者作品|網野の機屋の町並み
窓に反射した景色によって植物に奥行があって動いてるみたい

 

■ 森田祐乃子(地域サポーター)

8月17日の回に、地域サポーターという役割で参加しました。皆さんの様子を満遍なく見ていると、首を右に左に、なんなら上や下もとキョロキョロ、楽しそうな皆さん。普段は気にも留めないあらゆるものに注意を向けてみて、カメラのシャッターを押してみる、各々が違うものに興味を持ち、ゆっくり町を歩けるとても素敵な時間でした。私はまだ丹後に来て1年足らず、参加した8月頃はバタバタしつつもようやく慣れたといえる頃でした。網野に行くのは初めて、地域に住む皆さんとまち歩きができる、かつ縮緬(ちりめん)工場や旧永島家住宅にも足を運べるという贅沢な企画でした。写真撮影の時間では、大人だけでなく、子どももついていけていて楽しそうで、私自身もすごく楽しませていただきました!

参加者作品|旧永島家住宅
おそらく、太陽が綺麗に差したとき、足元にあった景色。足元の綺麗さをみつけて写真を撮る感性に素敵だなと思いました。

 

■ 安田哲馬(カメラサポーター・記録撮影)

丹後といえば機織り、機織りといえば丹後。そんな地域で行われた今回のプログラム。

しかし、実際に織物について学ぶ機会や、工場を見る機会というのは、丹後に住まわれている方でも数少ないのではないかと思います。

一方で写真ワークショップでは、初めてカメラに触れた方も多く、最初は操作に苦戦されていた方もいらっしゃいましたが、カメラに触れる時間が増えるにつれ、俯瞰で撮ってみたり、カメラの角度を変えてみたり、それぞれの視点を持って撮影されている姿が印象的でした。

展覧会では、撮影された写真がちりめん生地にプリントされており、シボによるアナログ的な立体感が、紙とは異なる魅力を生んでいました。

今回のプログラムを通じて、少しでも織物やカメラに興味を持っていただければ光栄です。

撮影:安田哲馬
背景に天橋立という丹後らしさがありつつ、皆さん横一列にカメラを構えて撮影している姿は、まさに『パシャパシャ丹後』を感じ取っていただける写真だと思います。

 

■ 新井厚子(地元芸術愛好家)-KYOTOHOOP中丹地域掲載アーティスト

想像を大きく上回った素敵なプロジェクトでした。

様々な人が参加でき、良いカメラで写真が撮れる楽しさで、地域の文化を撮る、 隣にある美しさを観る人とも共有できる。そしてそれが大切なアーカイブとなる。また、フォトグラファの方の展示も良かった。

その上、バスを利用して周り、丹後地域を巡るきっかけとなる。展示場所と展示方法・素材・形などもとても興味深かったです。そして多くの人が協力してできているのが素晴らしいです。いろいろ勉強になるプロジェクトでした。

参加者作品|網野の機屋
ガラス戸の向こうから時代の音が聞こえてきそうです。

 

 

 

令和6年度京都府地域プログラム(丹後)
展覧会『パシャパシャ丹後-はた織りと共にある暮らしを観る』

 

会期|2024年11月1日(金)~12月3日(火)
観覧|無料・申込不要

会場|旧尾藤家住宅ほか7ヶ所

出品者数・作品数|95名・123点

出品者|写真ワークショップ『パシャパシャ丹後』参加者、京都府立与謝の海支援学校生徒
    吉田亮人(写真家)※旧尾藤家住宅展示会場のみ

撮影場所|網野の機屋の町並み、京都府立丹後郷土資料館、旧永島家住宅、ちりめん街道の町並み、伊根浦発信館おちゃやのかか(民俗資料館)、伊根の町並み、浅茂川区民会館、旧加悦町役場庁舎、京都府立与謝の海支援学校

 

プログラム全体の詳細は
▼こちら
https://kyotohoop.jp/program/tango2024/

 

 

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令和6年度京都府地域プログラム(丹後)
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●関係者の声

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