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[育みレポート] ろうけつ染めにチャレンジ!|学校・アート・出会いプロジェクト

南丹地域|亀岡市

【育みレポート】では、次世代対象の取組をレポートし、大人でも知っているようで知らない(かもしれない)、文化や芸術の面白さをお伝えしていきます。

今回は、文化を未来に伝える次世代育み事業『学校・アート・出会いプロジェクト』*の「体験プログラム」として、京都府亀岡市立大井小学校で行われた「ろうけつ染め」を体験する『ろうけつ染めにチャレンジ!』のレポートをお届けします。

*京都府内の小中学校(京都市立を除く)、特別支援学校などに文化・芸術の専門家を派遣し、幅広い分野の文化・芸術を体験できるワークショップや鑑賞会を行う、京都府が取り組む次世代向け事業。2023年度(令和5年度)実施希望校の募集期間は、2023年4月3日(月)~4月19日(水)です。事業概要、申請様式などはこちらをご覧ください。

 

文化を未来に伝える次世代育み事業|学校・アート・出会いプロジェクト|体験プログラム

ろうけつ染めにチャレンジ!

学校|京都府亀岡市立大井小学校
対象|大井学級 2~5年生(17名)
講師|松本健宏(公益財団法人京都府中丹文化事業団)
実施日時|2022年6月29日(水)8:45~10:25
     2022年6月30日(木)8:45~10:25
場所|体育館

 

大井小学校の大井学級の児童がろうけつ染めにチャレンジしました。ろうけつ染めとは、溶かした蝋で布を防染して染める伝統的な染色方法です。まずは講師の松本健宏さんによるデモンストレーションを見て、手順を学んでから作業に取り掛かります。

広い体育館の幅いっぱいの長い布が2本、ロープで吊られます。そこに熱されて溶けた蝋と筆で絵柄を描いていきます。吊られた布は不安定で、少しの力が加わっただけでもゆらゆらと揺れてしまいます。さらに液状になっている蝋は、冷えるとすぐに固まってしまうため、蝋を筆に含んだら、迷うことなく一気に描き進めていかなくてはなりません。紙に絵の具で絵を描くのとは随分と勝手が違うことに、みんな最初は少し戸惑っているように見えました。

真っ白な布に乳白色・半透明の蝋で絵を描いても、はっきりとした形は現れません。また、どんな線を描こうか迷っていると、すぐに蝋が固まってしまいます。

蝋で絵柄が描けたら、布を染めていきます。染料を絵皿にとり、筆で色を入れていきます。白い布がカラフルに染まっていくと、蝋が塗られた部分には色が染み込まないため図柄が白く浮き上がってきます。

大きな布がカラフルに染まりました。後は、蝋を洗い流し色を定着させると完成です。*

*仕上げの工程は、授業時間外に講師の手で行われました。

大きな布を蝋や染料を使って染めるという、画用紙に鉛筆や絵の具で絵を描くのとは少し異なる体験を、子ども達はそれぞれのスタンスで楽しんでいました。


取材・文責・写真|宮下忠也(京都府地域アートマネージャー・南丹地域担当)


(記事執筆:宮下忠也(京都府地域アートマネージャー・南丹地域担当))